Fiddler on the Roof (1971) 屋根の上のバイオリン弾き
私が日本を離れる年に日本でも上映されたこの作品、私は日本を飛び立つ前にたまたま観る機会がありました。
とある女性がこの映画の招待券を持っていて、一人で観るのは寂しいというので私もノコノコついていったのです。勿論、招待券は彼女しか持っておらず、私は自分でチケットを購入して観ました。どんな内容の作品かまったく知らずに観ました。
歴史や文化に無知であった私は、作品の背景となっているロシア系ユダヤ人の置かれた状況もロシアのポグロムについても全く知らず、何も分らないまま観ていました。分らなくても、どの民族にも当てはまる話が盛り込まれているので楽しむことはできますが、やはりある程度背景の知識を持ってみなければ見いだせないものがある作品でもあります。
この作品の節々が分ってきたのは日本を離れ、それから20年余り経って相棒と付き合いだしてからでした。相棒は欧州の歴史の生き字引で、会話の端々に知識があふれ出て、いくらおバカな私でも少しは分り始めてきたわけです。
そして作品を観てから48年経った現在、染めなきゃ白髪だらけのババァになった私が先週末にその作品の制作過程のドキュメンタリーをみて、今もシーンや歌を思い出すことができる印象の深い作品であったと再確認した次第です。