これは日本人にはあまり興味ない作品かも知れません。
イスラエル元首相 Golda Meir (就任期間1968-1978)の1973年戦争、いわゆる Yom Kippur War における苦悩を描くものです。この国に多大な戦死者負傷者を出したこの戦争に対する首脳陣の戦法が正しかったかどうかを問われた彼女が当時の状況を説明する、という形式で進んでいきます。
映画としてヘレンミレンの演技に興味が湧く人もいるかも知れませんが、殆どドキュメンタリータッチで実写フィルムや録音など生々しく、見ていて苦しくなるシーンもあり、楽しむ作品ではないです。(余談:この作品に出てくる人物でいまだ生存し影響力を失わない人がキッシンジャー。今年5月に100歳を迎えています。)
戦争は、当たり前ですが多大な死者を伴うものです。しかし犠牲者数を最低限に抑えることがリーダーたちに求められています。人命をとるか国をとるか迫られた時に決断を下す難しさはどの国の首脳も経験することかも知れません。
(また余談:この戦争の裏にはまた裏があり、この作品でも語られない事実について、当時この戦争を知る人のメモを入手していた相棒が教えてくれました。軍人でなく政治家に戦略介入されるとどうなるか、考えさせられるメモでした。)
さて、この Meir首相と優るとも劣らない女性リーダーにThacher英首相がいます。彼女の場合は美人でもありました。日本からこのような太っ腹の女性リーダーが出て来ることはちょっと期待できません、良くも悪くも。