Still Mine 観ました

カナダの作品。New Brunswickに住むMorrison老夫婦が体験した実話。作品の中でも実名が使われています。

官吏、官僚が権威を笠に着て実質のない形式だけの規則を押し付ける容赦ない態度に無念さを味わったことのある人は多いと思います。この作品は、その一例を見せてくれます。腹が立ちます。

60余年一緒に暮らしてきたCraig Morrisonさんの妻が認知症の症状を見せ始め、階段を踏み外したり、トイレの場所も分からなくなったりしてきたため、広い土地をもつCraigさんは自分の敷地内に階段のない平屋を妻のために新築しようとします。腕の良い船大工だったCraigさんは自分で家を建てることなど朝飯前。

ところが、自分の敷地内であっても家を建てるには「役所の許可が要る」と言われたCraigさん、不可解ながらも許可を申請に行きます。ところがそれが運の尽き。Craigさんの昔気質の自由なやり方が「役所を無視するもの」と受け取られ、建築中の家を調べた役人が25件以上の規則違反を押し付けてきます。そのどれもが実質を伴わない書類上の無意味なものばかり。コチコチ頭で融通の利かない役人にCraigさんは規則の無意味さを訴えますが、それが反って役人のプライドを傷つけ、ますます意固地になった役人は家の建築を阻み続けます。そしてとうとうCraigさんは裁判所に召喚されてしまうことになるのです。

Craig さんの態度は、一貫して実質を重んじ個人の自由を守る、保守派の典型 (というよりむしろ本物のリバタリアンの典型)で、私も相棒も拍手を送りたい気持になりました (この映画が作られた時はまだ健在だったCraigさんですが、残念ながら今年2013年2月に亡くなられたそうです)。

たとえば公共の場で裸になるような奇を衒(てら)うことをするのが「個人の自由」だと差し違えているのがレフティストですが、このCraig Morrisonさんの態度こそが個人の自由を訴えるものであり、それを尊重しない政府こそ自由を束縛する悪だと言いたくなります。だいたい、私有地の中まで細かい規則を持ち込む政府ってナンなんですかね。