ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

2019年末チリの旅―Viña del Mar ⑬

Viña del Mar :

ヴァルパライソから列車で5分程のところに岩場の海岸のある町ヴィニャデルマルあります。前日のパーティで甘いカクテルを飲んだので私は頭痛が酷くなっていましたが、その町まで列車で出かけることにしました。

ホテルから駅に行くために丘を下りて荒んだ街に出ると小さなビニール袋をヒラヒラさせた男が私たちにマリワナを売ろうとしました。それを通り過ぎて汚い商店街を通り抜けましたがその汚さに気持悪くなり、頭痛も手伝ってイライラしてきました。それでつい相棒に「列車でなくタクシーで行けばいいのに」などと文句タラタラ当たってしまい、相棒を悲しませてしまいました。

駅で往復料金を払って磁気カードを貰いました。係の人が立っていて慣れない私たちにカードの使い方を説明してくれたので助かりました。

ヴィニャデルマルは海岸沿いのリゾート地ですが、あまり高級な感じはありませんでした。ペリカン、鵜などが岩場にいて近くで見られました。アザラシもたくさんいるはずでしたが、私たちが訪れた時は岩場にたった1匹だけ泳いでいるのが見えました。

 

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上の写真の向こう岸に高層ビルの建つ街がみえたので写してみました。しかしサンチャゴと同じにスモッグのためなのか何なのかぼやけてみえました。風の強い海岸沿いでスモッグが溜まるとは考えづらいですが...。↓

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↓ ペリカンの数も多かったです。

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↓ 鵜もたくさんいました。

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海風に当たったら頭痛が少し軽くなり気分も良くなりました。

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可笑しかったのは、遅い昼食に立ちよった岩場の傍のレストランで、午後遅くになって風が強くなり、風通しの良いレストラン内の客が寒さで震え出し、ウェイターが赤や青の毛布を客たちに渡していたことです。寒さ凌ぎのための毛布を客に用意しているレストランがあるなんてここならではのことでしょう。何しろ一日の内で寒暖の差が激しい土地ではあります。

そして帰りは無事に列車と徒歩でヴァルパライソのホテルまで戻りました。

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翌朝チェックアウトを済ませてテラスでタクシーを待っているとホテルの猫のパンチャが挨拶に出てきてくれました。着いた時はそっけない態度でしたが、帰りはちゃんと見送りにきてくれるパンチャでした。記念にパンチャと一緒の写真を撮り、別れを告げてサンチャゴへ向かいました。

2019年末チリの旅―Valparaiso ⑫

カラフルな落書き:

アタカマ砂漠からサンチャゴへローカル線で戻り、空港から予約しておいたタクシーでヴァルパライソへ向かいました。ハイウェイを通っている間は良かったのですが、ヴァルパライソの街に入った途端、タクシーの窓からみる景色は気持ちの悪い地域に変わり、ゾッとしてしまいました。貧困と混沌と麻薬と犯罪が漂っているような感じです。こんな所に3日も泊まるのかと気持がドンドン沈んで行くのが分かりました。

それから海岸沿いの広い道に出て、そして狭い坂道を上っていくと、少しマシな一角に出ました。壁も汚い落書きからカラフルな絵に変わっていきました。さらに細い道をタクシーは上って行き、カラフルな壁のホテルの近くで止まりました。

ホテルは黄色いペンキが塗ってありました。どちらかというと古くてみすぼらしい感じでしたが、高台にありロケーションは最高で、ステキなテラスとレストランが付いています。部屋も2世紀ほど古い感じでエアコンもなければクローゼットもない狭い部屋でしたが、とてもチャーミングな窓が2つ付いていて1つからは海が見え、もう1つからは丘が見えました。

ヴァルパライソという街の構造は、下の方は酷く荒んでマリワナでラリッた連中がゴミだらけで落書きだらけの中をうろついていたりして危険な感じですが、丘を登った上の方はチャーミングな町並みが連なり、中産階級以上の人たちが集っています。私はこの格差が好きになれませんでした。ここでも政府の怠慢さを感じました。

その夜はホテルのレストランで夕食。高台からの景色とチャーミングなテラスのレストランで食事はとても美味でした。Machasというマテ貝の一種の料理があり、それがとても美味しかったです。タコのグリルもセビチェも美味しかった。Machasは幅広のマテ貝のようで中身は北寄貝のような形をしています。

この辺りは一日の内、日中は暑いのですが朝晩は寒く、昼に出かけて夕方戻るという時はカーディガンのようなものを用意する必要があります。私も自分には薄いコート、相棒のために薄いセーターをバッグに入れて出かけました。

ヴァルパライソの荒んだ下の一角では毎晩暴徒が騒いで丘の上までその音や声が聞こえてきていました。騒音は早朝まで続いていたようで相棒は煩くて二日続けて眠れなかったということでした。

着いた翌日は丘の上からフニクラに乗って下まで降り、波止場を歩き、またフニクラで丘の上まで上り、この丘の町の壁と言う壁に描かれている絵を見て歩きました。私は壁の落書きは町を汚くみせるので嫌いなのですが、この町の壁の絵は落書きよりはマシでカラフルな楽しいものが時々ありました。写真を少し貼り付けてみます。

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↓これは家のドアに描かれていたピクトグラフみたいな模様。

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↓この2つはホテルの窓から見えました。それほど気になるものでもなかったのですが、相棒によると「この足の絵は話題になって、これを描いた画家は画廊で個展を開くほど有名になった」と教えてくれました。

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↓こちらが足の持主のようです。

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大晦日の夜はホテルのレストランのニューイヤーズパーティで食事と花火を楽しみました。少し浮かれて食前のカクテルと食後の甘い酒を飲んでしまい、翌日は頭痛で半日苦しみました。

2019年末チリの旅―宿の猫リリィ⑪


テレサさんは猫を1匹、犬を2匹飼っていました。猫の名前はリリィ。リリィは夜しか現れなかったので暗くて顔も毛の色もよく分らず仕舞いでした。毛の色は多分サビ色だと思います。リリィが最初に現れたのは3日目の夜でした。夜、外は冷えるので毛布を掛けて長いすに寝そべって星を眺めている私たちの傍に来てくれて、顔を近づけてくるのでナデナデしてあげると喉をゴロゴロ鳴らしていました。相棒のお腹の毛布に座って居心地がよいらしくジッとそのままでいるので、私たちは部屋に帰るのを暫く躊躇したくらいです。

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← 次の夜も来てくれて、相棒のお腹に乗って相棒にキスしていました。暗いのでシュルエットになっていますが、パチリと現場を押さえましたぞ。

 

私のお腹にも乗ってフミフミをしました。

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猫を飼っていない私は、猫がどれぐらいの力でフミフミするのが知りたくていたので、とても嬉しかったです。フミフミはかなり力が入るのだと知りました。

 

その次の夜も来てくれました。「来たよ」と言うように「ミャ」と静かに鳴いて知らせてくれます。その声の方を見るとリリィがすぐ傍にチョコンと可愛く座っているのです。一緒に星を見て過ごしましたが、翌日は出発する日で、せかっく仲良くなったリリィと別れるのは寂しかったです。リリィに「きょうが最後なの。明日は出発。明日はいなくなるから今日はもっと遊ぼうね」と一所懸命伝えました。そのせいかリリィはいつもより長く居てくれました。

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翌朝は少し早く起きて出発の準備をし、テレサさんと別れを惜しみました。テレサさんに私が「私たちのために、いつもなら欧州のクリスマスの休日に出かけるための出発を延期してくださったんですね、すみませんでした」と言ったら、テレサさんは「いえいえ、出発を遅くしたのでとても安いチケットが入手できたんですよ」と言ってくれました。貴族出身でありながら他人を思いやる心を持つ人に出会う機会があり、貴族出身者はみんな鼻持ちならないと思っていた私は考えを改めました。

2019年末チリの旅―星空 ⑩

宿の星空:

アタカマの最終日に予約してあった星空ツアーが曇り空のためキャンセルとなり期待していた星雲を見ることができなかったのは残念でした。

それでも毎夜、宿の庭の長イスに寝そべってオリオン座の光る星空を相棒と二人で眺めて過ごし、6日という日がアッと言う間に過ぎました。

私のバカチョンカメラでは撮れませんでしたが、相棒が携帯で星を捉えることができました。肉眼ではオリオン座がハッキリみえました。

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オリオン座の右下にあのクレイジーなシリウスが一際明るく光ってるのが見えますでしょうか。

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2019年末チリの旅―Termas de Puritama ⑨

Termas de Puritama プリタマ温泉:

少し遅く行ったためか、雨が降ったためか分りませんが、風も強くて寒かったです。この温泉は、あるホテルが管理しているそうですがロッカーの鍵は殆どが紛失していて管理のずさんさを感じました。貴重品などは上のパーキング場で車の中に保管した方がいいかも知れません。

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温泉とはいえ水温は30℃ぐらいで殆ど水と同じ感覚です。川の温泉で水底には黒くヌルッとした水藻があり、あとで水着を洗う時に黒い藻が付いていました。

帰りは崖の上にあるパーキングまで急な坂道を登っていかねばなりませんでしたが、もうくたびれてババァは上を眺めて溜息をついて留まっていました。すると親切な係の人がトラックに乗せて上まで運んでくれました。スタミナの切れた老夫婦に同情してくれたのでしょうか、ありがたかったです。

私としてはこの温泉はお勧めいたしません。

2019年末チリの旅―Valley de la Muerte と The Pukara de Quitor ⑧

Valley de la Muerte 死の谷:

最初は Valley de la Mars(火星の谷)とか呼ばれたようですが、誰かが Mars を Muerte と間違えてからそう呼ばれるようになったとか。ホントに何もない、火星のようにただ赤土のあるところです。砂の上をスケートボードする人がいました。赤土の景色ももう珍しくなくなって写真もあまり撮りませんでした。

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The Pukara de Quitor 住居遺跡:

その後遺跡のある高台に向かいました。中に入ることはできましたが、遺跡の入口が閉鎖されていて直接歩いてみることは出来ませんでした。でもすぐ近くの高台から見ることができて問題はありませんでした。

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入口近くの道の脇にはオリーブの木があり、黄色く熟れた実とグリーンの実が沢山生っていました。

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高台に上って1合目の休憩所で休みました。もっと上にも休憩所がありましたが、そこまで上るのは止めました。1合目だけでも上からの景色は美しく充分楽しめました。

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2019年末チリの旅―Laguna Baltinache ⑦

Laguna Baltinache: 塩の湖

宿主のテレサさんに「塩の白と水のブルーのコントラストがきれいな所。ガイザー(間欠泉)の近くの温泉は混雑するけれど、ここは空いている」と教えられて見に行きました。

延々と続くガタガタ道を車で走り、ただ平たい土が広がる所を「まだかまだか」と思いながら埃の道を進み、漸く到着するような辺鄙な所にあります。

エメラルドグリーンやブルーの濃い塩水プールが数か所にあり、その内2つだけ人が使ってもいいようになっています。相棒も浸かりましたが「イスラエルの死海より塩分が多い。浮力が強くて体を沈めることが出来ない」とのことでした。

一番遠くのプールまでは歩いて30分以上かかります。風が強くて塩が飛び散り、歩いているだけで塩だらけになりそう。私は日焼けをして塩漬けのタクアンみたいな肌になってしまいました。

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白とブルーのコントラストがとてもきれいでした。

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