ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

ピザ屋で見かけた白いレースリボンのお婆さん

下欄に記したセントラルパークの散歩の後、マンハッタン東へ出て少し歩き、ふと目に留まったピザ屋で夕食をとりました。フラリと入ったのですが物凄く美味しい店に当たりました。

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チーズなし、マリネラソースにドライバジルとニンニクの薄切りがパラリとのっているだけのピザを頼んだのですが、マリネラソースと薄くて窯焼きの焦げ目が嬉しいモチモチのビザ地があまりにも、あまりにも美味しくて、一口食べたら夢心地になりました。

後で調べたら、この店の食材は本国イタリアのSalernoから仕入れているということでした。Salernoは私がいつか訪れたい町の1つです。この店のマリネラソースの旨さは、多分ナポリタン完熟トマトから作るため出る味でしょう。マンハッタンの不味いトマトではとても作れないソースです。

さて、驚いたことに、相棒も私も美味しさに200パーセント満足しているのに、隣のテーブルの老婆は恐ろしいほど文句をつけていました。

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歳の頃は70歳ぐらい。そのくせ、金髪ストレートの髪に白いレースのリボンを付けています。なんやら『何がジェーンに起こったか?』のジェーンを彷彿させます。若い娘のつもりか甲高い声でウェイターにメニューの品をナンヤラカンヤラと自分の好きなようにアレンジするよう要求していました。ウェイターはそれにいちいち「そうしてみましょう」と答えていました。突き出しのパンが運ばれるとスライスに触って「これ固いわね。もっと柔らかいのないの?」と言うのです。文句を言っておきながら、あとでパンの追加を頼んでたのには呆れました。

そしてホウレン草の炒め物が来ると白リボンのオババ様、今度は別途レモン汁を要求。ウェイターがレモン汁をグラスに入れて持ってくると「これ本物のレモン汁?」と訊くのです。ポッカレモンなら突き返すよ、ってな勢いでした。極めつけは、そのあとサラダが平皿に載ってきた時です。オババ様は「あのね、このサラダをボールに入れてくれない?」と言ってウェイターをキッチンに返しました。キッチンから戻ってきたウェイターは「ここにはボールがないということです」と言って平皿のままのサラダを持って戻ってきました。そのあとピザがきたのですが、何が気に入らないのか私にはよく聞き取れませんでしたが、やたら文句をつけていました。チーズの種類がバッファローチーズだか何だかと言うことだけ聞き取れました。あとで相棒が聞こえたという話では「彼女、6か月前に来た時とピザの味が違うと文句言っていた。ウェイターは『6か月前は自分はこの店にいなかったです。もし居たら6か月前と同じものを出せたのですが』と答えていた」そうです。

その後もウェイターが来て「お食事、楽しんで頂いてますでしょうか?」と訊かれた老婆は「楽しめるわけないじゃないの。こんなんなら、ピザはサービスで無料にして欲しいわ」と宣っていました。文句言いながらも食べ続けているのが不思議です。

色々注文を付ける客をみたことはあるのですが、これほど異常な客は初めて見ました。この店、ミッシェランに選ばれていると相棒が気が付いて教えてくれました。