ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

One Life 観ました

久し振りに映画館で映画観賞しました。最近上映されるのはアニメやらアクションやらの子供むけばかりで滅多に映画館へは行きませんでしたが、ようやく観たい作品が上映されましたので行ってみました。

One Life

ナチスが台頭してきた頃、プラハに避難したユダヤ人の子供たちをナチスがやって来る前にロンドンへ避難させたニコラス・ウィントン(Sir Nicholas 'Nicky' Winton)という人の実話をもとにした作品。

ウィントン氏はロンドンに住む富裕層ですが、プラハの友人を訪れた際、食料もなく寒さを凌ぐ家さえなく、吹きさらしの簡易テントで震える多くのユダヤ人の子供たちを見ます。このままではこの子たちは冬を越せずに死んでしまうと感じたウィントン氏は子供たちだけでも安全な場所に避難させようと活動を始めます。

名優 Anthony Hopkins が好演しています(ハンニバル以前の、昔のホプキンスのジワリジワリと効いてくる名演技です)。

なぜこんなにも他人のために必死に努力するのか?敬虔なクリスチャンだから?いや、何か人として突き上げてくるものに動かされる人がいる。そしてそれが出来る状態であるというのも重要な条件です。出来る状態であってもやらない人が多いので、ウィントン氏のような見返りを望まぬ人助けのみの行動に胸が詰まる思いになります。

ワタシャ自分は今まで何をしたか、人を助けたか、自分のためにだけ行動した人生ではなかったか、という思いがして、恥ずかしい気持で観ていました。嗚咽するほど感情移入して観てました。鼻水が出てきて困り、バッグをかき回してティッシュを探していたら、隣のおばさんも同じことしてました。

異国の人がユダヤ人を救う話、杉原千畝大使を思い浮かべます。あとで自分の身が危うくなろうと気にせず人助けする人が実際にこの世にいる。それを知っただけでも有難いことです。

題名の One Lifeとはどういう意味だろう、と相棒に訊いてみたら

”He who saves one life saves the whole universe“ という言葉があるそうです。

タルムード(聖書の他にユダヤ教徒が遵守する口伝の法)の中で言われているもので「一つ(一人)の命を救うものは全世界を救う」という意味だそうです。