ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

頭に血がのぼった

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昔はやたらカッカしていた私ですが、もうこの歳になったら少し腹が立っても憤慨することは滅多にないと思っていました。ところが私の虫の居所が悪かったのか、今夜は頭に血が上るほどカッカとしてしまいました。

二流の日本食レストランで夕食をとった時のことです。私たちは2人でしたが4人用のテーブルに座ることになりました。その右隣に、やはり4人用のテーブルがあり70代ぐらいの男2人と女1人が座っていました。

しばらくして私たちのテーブルに食事が運ばれてきて食べていたら、隣のテーブルの老女が自分たちが食べて空になった食器を私たちのテーブルに置くのです。もちろん座っていない方の少し空きのあるテーブルですが、私たちの食事が少しはみ出て置いてありますので、いくら空いているからと言って隣の客のテーブルに汚れた食器を断りもなく置くなんてこと考えられません。

最初にその老婆が置いたのは小さな味噌汁のお椀1つでしたし、すぐにウェイターが取りに来たので、私も気にせずにいました。ところが、しばらくすると今度は食べた後の大きなドンブリを2つ、私たちのテーブルに当たり前のように置くのです。自分たちのテーブルが狭いということでしょうが、それならウェイターを呼んですぐ片付けるように言えばいいことです。

その老女は大きなトンブリをこっちを見ずに向こうを向いたまま置くのです。私の顔を見ようともしません。まるで汚れ食器置き場のように私たちのテーブルを使い始めたのです。もし「すみませんが、置かせてください」という一言があったら私もこれほど立腹しなかったと思います。それにしても、なぜウェイターを呼んで片付けてもらわないのか、なぜ平気で他の客のテーブルに汚れた食器を置くのか、日本人をバカにしているのかという思いが巡り、困惑と怒りが湧いてきました。

私がムッとした顔をしたのをウェイターが見て、すぐに大ドンブリを片付けてくれましたが、もう私はこの女の態度が許せなくなりました。それでもウェイターがすぐ片付けたのでまだ黙っていました。

ところが、その女、また味噌汁のお椀を1つ置いたのです。さすがに許せなくなった私は向かいに座っていた相棒に「隣が味噌汁の椀を置いた」と言ったら、相棒がウェイトレスにお椀を片付けるように頼みました。すると隣の女が今気が付いたかのように「あらごめんなさい」と相棒に言ったのですが、何がごめんだ無礼者め、と私は考えるより先に「Aren’t you rude! あなた失礼じゃないの!」とキツイ声が出てきてしまいました。その女はなぜ私が怒るのか分からないと言わんばかりに驚いた様子をみせましたが、その後も決して謝ろうとはせず、わざと笑い声を出して相席の老人たちと話をしていました。

相棒は老女が何をしていたか気が付かずにいたので私からわけを聞きたがっていましたが、私は後で話すと言って、その場は何もなかったように過ごしました。

レストランから出てきて、私は相棒に老女の仕出かしていたことを説明しました。話しながら思い出してカッカして声がうわずって怒鳴り声になってしまいました。怒りを全面に出して話し終わったら少し楽になりましたが、自宅に戻ってから、これほどカッカした自分が嫌になりました。

落ち着いて考えたら、ドンブリを置かれた時に空いていたテーブルを私たちから離して、老女の方に押しやってしまえば良かったのだと気が付きましたが、後の祭り。こういう状況に置かれた時とっさにうまい考えが浮かばないいので、カッカしないで冷静に悪知恵を働かせる訓練をしなくてはなりません。ゴミのように扱われると頭に血が上って冷静に考えられなくなるのは母のDNA。母も私も自分が何様だと思ってるんだろとは思います。