美術品の修復とは忠実にオリジナルを復元するものだと思っていました。
あるニュースサイトをみていたら『Hubert と Jan van Eyck 作 15世紀の傑作 the "Ghent Altarpiece" の復元結果に驚く』という記事が目に付きました。
最近、復元作業が最終段階に入ったということで、その進捗状況が披露されたそうですが、その祭壇に載っている羊の顔が「復元」ではなく「修正」のようになっていたので見た人は驚いたそうです。
修復にあたった人によると古くなった絵の具を除いたら元の羊の顔がこうなっていたと言うことです。ということは前にも修復(修正?)が行われていたということになります。オリジナルの羊の顔があまりにも酷いのでその当時修復する人が堪らず修正してしまったのかも知れません。
左が前に修正されていた顔
右が絵の具を除いたら出てきたと言われる顔
(ちと気持悪い)
それで思い出したのが笑い話のような本当の話。
2012年、スペインの Borja という村の小さな教会 Sanctuary of Mercy に 1930年Elías García Martínez 作の “Ecce Homo” (“Behold the Man”) と題する壁画がありました。古くなって絵の具がボロボロはげ落ちてきているのをみたその教会の信者の Cecilia Giménez さんはその壁画を修復してあげようと思ったそうです。その結果がコレ。
セシリアさんは親切な気持から修正をしたようなので、教会の人々も怒ることが出来なかったようです。皮肉なことに、このメチャメチャに修復?された名画?迷画?を一目みようと、この小さな町の教会は観光客でにぎわうようになったのだそうです。