ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

父かな?

今日は暑い日でした。ほんの40分ほど買物で外へ出ました。ちょっと重い荷物を手に抱えていたので、2ブロックほど歩くのにもヨタヨタして4~5回荷物を置いて休みました。背中をドクドクと汗が流れるのを感じました。

f:id:nykanjin:20210812110743j:plain

歩道の両側に花壇があって、私の目の前をモンシロチョウが1羽フワフワ飛んでいました。あれ、また父かな?と思いました。父は蛾になったり蝶になったりしてやってきます。あまり派手でなく地味な色の羽のことが多く、モンシロチョウなら父らしいと思いました。

自宅に戻って夕食を作っていると、父が昔笑いながら話したチョット知能の遅れた若者の言葉が頭に浮かんできました。父に出会うといつも「おじさん、タバコない?タバコない?」と繰り返し訊いてくる若者がいたそうです。その言い方が面白いと言って父は話していました。知能が遅れてしまった若者を決して馬鹿にしているのではなく、同情し愛しくさえ感じているようなのですが、皮肉な世を笑って話しているような感じでした。

あれ、いま父が話しかけているのかな? やはり外で見たモンシロチョウも父だったのかな?もしかしたらきょうはお盆なのかな? と思って調べたら盆の入りは13日、明けは16日だということでした。そして今日8月11日は「山の日」だとか。日本にそんな祝日がいつできたのか知りませんが、盆入り近くに祝日を作って盆休みを長くする意図もあるらしいとか。

父は私を可愛がることはありませんでしたし、私も父に愛情は湧きませんでした。ただ、長く一緒に住んでいた人だし、私の父親であるので、それ相応の感情はあります。あの時、父はこうしたかったんだろうな、とか、もっと分かってあげればよかったかな、とか思うことはあります。

父は老いてから少し私を思い返すことがあったようです。私と同じように「娘にもっとああしてやれば良かったかな」と思ったのかもしれません。しかし、日本で親と暮らしていた時より長く米国にいる私なので親への情は薄くなっています。

それでも父は私に話しかけてくるんですね。生きていた時より多く話しかけてくる...。