ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

空箱が届いた(その後)

3月21日(米国の3月20日)付で『空箱が届いた』ことを書きました。

私は長い事「生き馬の目を抜く」ニューヨーク市の、それも詐偽、置き引き、窃盗、など日常茶飯事のマンハッタンで暮らしていたため、人を疑うようになってしまっていたようです。

届いた箱は元々のシールが剥がれていて、テープで2か所止められていたのです。そして中身が空だったので、取り出した後にテープで止めた、つまり盗んだ人が箱を閉じたとしか考えませんでした。(後から考えるに、盗んでからわざわざ空箱を送るなんてオカシナことでしたね。)

抜き取られたと思い込んでしまったので、郵便検査官のサイトにあるクレームフォームに空箱のことを書きこみました。連邦局なので返信など期待しておらず、たぶん長いこと経ってからお仕着せの返信があるだろうと、NY感覚でいました。

ところが、ここはユタ州でした。連邦局とは言え、ユタ州の検査官はNY州のソレとはまったく違っていました。一日も経たない内に返信がきました。それも「お仕着せ」なんかではなく、商品と価格を訊いてきました。それでクレームフォームでは説明出来なかったことも含め詳しく伝えました。商品はバスマットでした(笑)。

するとまたすぐ返信が来て、そこには懇切丁寧な説明が書かれていました。郵便物の多さで配送センターは常時混乱状態であること。そのため積まれた箱から中身が出てしまうことはよくあり、それを元の箱に入れてテープで止めることは配送センターでは日常茶飯事。そして元の箱でなく違う箱に入れてしまうこともよくあり、注文したものと違うモノが届くというクレームは少なくないそうです。

バスマットを盗むということは「かなり稀」(笑) な例で、おそらく箱から出てしまったけれど他のものと紛れてしまい、係はテープだけ貼ったのではないかと思われるそうです。検査官はきっと高価なものだと思っていたので笑ってしまったのではないでしょうか。

私も検査官の説明を読んで、NY感覚で即「盗まれた!」と思ってしまった自分が情けないやら可笑しいやら。しかし、犯罪ではなく、テープで止め直してくれていたことを知ると少し気分が和らぎ、ユタ州に移って良かったと思いました。

さて、箱が空だったことを購入先のアマゾンに伝えると、なんと翌日同じ商品を届けてくれました。これにはビックリ。損失に代る何か、配送事故保険のようなものがあるのだと思いますが、超大企業のなせる業(わざ)で、助かるけれど、なぜか恐いです。