ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

アマゾンのアフターサービス

米国のアフターサービスなんてないも同然だと思っていました。先日、日本の花屋さんの名誉挽回アフターサービスを受け、これは日本だけのことだと思っていたのです。

しかし米国アマゾンでは、傘下の企業が顧客アフターサービスをしなければならないようなシステムになっているようです。

私はアマゾンを通して掃除機を買い、失望したのでアマゾンの「購入後の評価」のところに正直な感想を書き込みました。別に返品する気持もなく、ただ「評価をしてください」とEメールが来たので書いたまでです。

米国の企業でアマゾンのサービスはピカイチです。間違いが殆どなく配送も素早く、品物の選択も幅広く、価格も安めで信頼できるものが多いのです。米国では稀な企業で相棒さえも気に入っているサービスです。

そのアマゾンで私はメタリックレッドに輝く可愛い掃除機を見つけました。私は掃除機については、いつも40~60ドル前後の安いモノを買って2、3年したら買い換えるようにしていました。今回は4、5年使った安い掃除機にガムテープを巻いてさらに使っていましたが、とうとう壊れてテープも使えなくなってしまったため買うことにしたのです。アマゾンで見つけた可愛い掃除機は129ドルという価格にクロス線が入り59ドルで売られていました。単純バカな私は100ドル以上のモノが「半額で買える」と思って飛びつきました。

しかし届いた掃除機は、見た目は写真通り可愛いのですが、何とも安物そのものでした。パックを開けた途端にプラスチックが燃えるような臭いがプーンとしました。蛇腹ホースは曲がりにくくバウンスして逆方向に曲がったりして操作し辛く、コードはスルスル入らず自分でクルクル巻かなければなりません。それでも吸引力が強ければ我慢しますが、先端の部品を付けるとその部分の吸引力が弱く、床のゴミを吸い込もうとさせても紙のゴミはその場についたまま吸い込まれません。ボルテージは1100Vなので吸引力が無いわけではないのですが、最後の部品の平たい板状の吸い込み口を付けると、なぜか吸引力がガタンと落ちます。商品構造に問題があるのだと思います。

こんな品物が市価129ドルであるわけない、と思いました。つまりその高価な値段を半額にすることで私のようなバカな消費者を釣っているのだと気がついたのです。それで正直に「品質は悪く、使いにくく、熱がでてプラスチックが燃えるような臭いがするし、1100Vにしては吸引力が弱い」と評価しました。

するとすぐ掃除機の販売企業の顧客サービスから「ご不満なら返品してください。どうすれば満足していただけますか?」というEメールが来ました。「なんじゃ、アマゾンが評価しろというからしたまでじゃ」と思って返事もせず放って置きましたら、一週間後にまた同じ文面のEメールが届きました。うるさいなぁと思ったので、本当に思っているまま次のように書いて返信しました。

「129ドルの価値のあるモノが59ドルで売られているので、浅はかにもその手に引っかかって買い得だと思って買ったのです。使い心地は59ドルの安物そのもので129ドルの価値はありません。129ドルをクロス線で消して59ドルを表示していますが、あの129ドルは欺瞞だと思います。」

するとまたすぐ販売企業から返信がきました。「あの価格はMSRP(製造企業希望小売価格)です。私どもは貴方のご提案どおり価格調整をいたします。それで貴方の評価を削除するか調整していただけないでしょうか?」と言うのです。これにはビックリ!私のような小虫みたいな人間の意見を尊重しているらしいのです。どんな意見でも、アマゾンの購入後の評価は販売に多大な影響を与えるということなのでしょう。

それで「貴企業が価格調整をしたものを見てから、よろこんで私の評価の削除または調整をいたします」と返信しておきました。

いままで私の言う事など世間でまともに聞き入れてもらったことがないので、最近、私の意見を聞き入れてくれることが2度続き、キツネにつままれたような気持になっています。

[後記]アハハ、1分後に、もう販売企業から「129ドルは消しました」と連絡ありました。それで私も評価を消去しました(笑)。こういうことは米国は早いですねぇ。