日本では知られていない人だと思いますが、相棒と私は Art Bell 氏の大のファンでした。宵っ張りの相棒には夜中から朝にかけてのラジオ番組が体内時計にあっていたこともありますが、Bell 氏の飄々とした語り口とユーモア、知識豊富なインタビューの仕方が聴く人を引き付けていました。
番組のテーマは『不可解な現象』についてなのですが、魂の声を録音しているという人に一所懸命インタビューするかと思えば、れっきとしたNY大教授の Michio Kaku 氏と時空について対等に語りあったりできる幅広い知識のある人でした。十数年前、Bell 氏はラジオから引退しました。
私は Art Bell の番組を聞きながら寝入ってしまうことが多かったです。内容は興味深いのですが、夜中だし、Bell 氏の静かな語り口がまるで子守歌のように心地良くて、気が付くと朝になっていることがよくありました。
Bell 氏のユーモアはトボケていて、例えば番組中に間違い電話がかかり、ピザの注文をしてきたことがありました。電話の主は間違いだということを言わせず、どんどん注文を言ってくるので、Bell氏は呆れて諦めたように「えー、それでピザにはアンチョビーをのせますかね? あ、要らない? ハイ分りました」と応えていたのです。相棒と私はこのエピソードを繰り返して話しては Bell氏を懐かしみ、またラジオに戻ってきてくれることを望んでいました。
そのBell氏が昨日亡くなったというニュースが今朝流れたのです。カムバックを待ち望んでいた私たちには非常に非常に残念なニュースでした。
このブログは見る人も少ないし、私の備忘録のようなものですので、日本の方には興味ない事柄ですが、ここに書き記しておきたいと思います。