ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

最も嬉しい誉め言葉

As Good As It Gets、日本語の題名は「恋愛小説家」という映画の中で、小説家メルビンと彼が思いを寄せる女性キャロルが、ジャケット要のレストランに入るシーンがあります。彼がわざわざジャケットとネクタイを購入して着た後で「男性はジャケットとタイが必要なのに女性は家で着るような普段着でもいいんだ」とキャロルのドレスを馬鹿にしたので、キャロルが怒って「私を褒めなきゃ、帰るわよ。最高の褒め言葉を言ってごらんなさい」と詰め寄ると、メルビンは「薬を飲んだ...」と言います。キャロルはキョトンとして「なにそれ?」と訊くとメルビンは「まぁ、聞いてくれ」と言って説明します。

彼は病的潔癖症で医者にかかっている。医者から処方箋を貰っているが、その薬は副作用が強くて彼は服用するのが嫌で嫌で堪らず、飲まずにいる。飲まないと潔癖症が激しく出て人に迷惑をかけ彼は人に嫌われている。それでも構わないと思っていた。しかしキャロルに会ってから、人に好かれる人間、良い人になりたいと思った。だから薬を飲んだ。キャロルは彼を良い人間になりたいと思わせる。

っと、それを聴いたキャロルは胸を打たれ「最高の褒め言葉だわ」と気をよくします。

私も相棒から最高の褒め言葉を貰いました。初めて逢ってから30余年、結婚して15年経ちます。「結婚して良かった」「仕事から家に戻るのが楽しみ」「君の顔をみると気分が晴れる」とかいろいろ言ってくれて私も気分がよくなりますが、ある時、相棒と話をしていて、こう言われた時、それは私にとって最高の褒め言葉だと思いました。

「君は知れば知るほど興味深いね」