ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

レイバーデー休日 ④ Precision Machine Museum

Precision Machine Museum (19世紀の工作機械博物館)

19世紀の複雑な工作機械、そしてその機械を作るための機械を展示してある博物館を見学しました。私はデジタルは理解できませんが、アナログは好きです。アルゴリズムで出来ている19世紀の機械は理解し易く、イイです。これを考案したダビンチ的な人々を尊敬して止みません。機械に魅了されて写真を撮るのを忘れていたので、下の写真は全部借物です。

f:id:nykanjin:20190905130020j:plain

f:id:nykanjin:20190905130045j:plain

f:id:nykanjin:20190905130110j:plain

 

レイバーデー休日 ③農場博物館

ホテルから車で20分ぐらいの所に博物館兼農場があるというので訪れてみました。19世紀の農機などが展示されている博物館とその周りに広がる大きな農場には牛や馬などの家畜が柵の中でのびのびとしていました。

f:id:nykanjin:20190905130700j:plain

そこでは現在でも酪農を操業しており、そのフレッシュな牛乳で作ったアイスクリームは美味でした。

f:id:nykanjin:20190905123410j:plain

乳牛はホルスタインではなく薄茶の牛でした。小屋の中に並んで繋がれている牛を見るのは辛いですが、この牛たちも搾乳が終われば外に出て広い柵の中で休むことができるのだと思います。

ここには山羊や羊もいて、すぐ近くで見ることができました。山羊は特に人懐こくて向こうから近くまで来てくれました。山羊はリンゴの葉が好物らしく、首の届く高さの葉は食べつくしてあるのが分ります。その山羊は私の近くに来て背伸びして葉を食べる動作をするのです。

f:id:nykanjin:20190905123554j:plain

私に葉のついた枝を下ろして欲しいと頼んでいる様子だったので、そうすると、一所懸命、葉を食べるのが可愛かったです。

f:id:nykanjin:20190905123635j:plain

馬もいました。筋肉隆々としてとても力強い感じのブロンドの栗毛。

f:id:nykanjin:20190905124151j:plain

その馬の1匹が近づいてきてくれました。ハエが右目の周りに煩く飛び交っていて邪魔だったようで、私の所に来てハエを振り払って欲しかったようです。

f:id:nykanjin:20190905124246j:plain

でも私は馬に触ると嫌がられないかと心配して手を出さずにいたら、馬は私の前で柵に耳を当ててガリガリ耳を掻いて見せました。それでも私が躊躇していたら、馬は諦めて別の方へ行ってしまいました。

f:id:nykanjin:20190905124408j:plain

この農場には物凄く大きなヒマワリが咲いていました。背の高さは人間の2倍で花の大きさは人の顔より少し大きい感じです。でっかいヒマワリ!

f:id:nykanjin:20190905124638j:plain

 

レイバーデー休日 ②夏の星座

宿泊したホテルの裏庭は、なだらかな芝生の土手が広がり、そこに川が流れていました。昼間はカナディアンギースが群れをなして浮かんでいます。

f:id:nykanjin:20190905115531j:plain

 

f:id:nykanjin:20190905115633j:plain

夜になると雁はみな塒(ねぐら)に帰っていくらしく、川は空っぽになります。ホテルは裏庭の照明灯を消しており、そのため夜空の星がはっきり見えました。私たちは暗い土手を下り、広い芝生の上にある白いイスに腰かけて夏の星座を見上げました。

小さな写真では表現できませんが、クゥワァーッと声を出したくなるような見事な星空でした。これほどはっきりとした星座を見るのは久しぶりだったので、相棒も私も嬉しい驚きでした。

相棒の携帯はナイトビジョンがセットできるので、そのモードで星空を撮ってもらいました。下の写真では Big Dipper (大熊座)がはっきり写っています。

f:id:nykanjin:20190905115815j:plain

これはカシオペアかなと思ったのですが、違うかもしれません。

f:id:nykanjin:20190905120200j:plain

 

レイバーデー休日 ①静かな町Woodstock

静かな町 Woodstock

f:id:nykanjin:20190905033744j:plain

Labor Dayの休日を含むロングウィークエンドは、NY州を北上し、バーモント州にある小さな町ウッドストックを訪れ3泊しました。NY市から車で5~6時間のところです。左地図、赤線のように上がって行きました。

 (ウッドストックと言えば麻薬でラリッたビートニクのロック祭のことを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、そのお祭り騒ぎのウッドストックはニューヨーク州にあり、私たちが訪れた町とは違います)

 

f:id:nykanjin:20190905034119j:plain

ここは深々としたクイチー渓谷(Quechee Gorge)があり、クイチー川が浅く流れる静かな小さな町です。

(写真は渓谷のはじまりの滝です)

春から秋にかけては美しい花々や木々の紅葉、冬はスキーが楽しめる、落ち着いた町です。

着いた日の夜は、驚くほどはっきりと美しい夜空の星座を楽しみ、翌日は家畜と触れ合える農場でゆったりとした時間を過ごしました。Falconry(鷹狩)を経験できる農場もありましたが、3日目は1日中雨が降っていたので鷹狩は見送り、雨でも楽しめる工作機械博物館を訪れて興味ある時を過ごしました。

生き字引

f:id:nykanjin:20190829235620p:plain

いつも言うことですが、グーグル翻訳ツールの訳の奇妙(おかし)さは可笑(おか)しくてブフッと吹き出してしまいます。言語の構成の違いだけでなく、私の書き方が回りくどくて古臭くて変わっているため否定文が肯定文になっていたり、単語の訳が摩訶不思議な時があり、なぜそうなったか見当もつかないことがあります。

下欄(Fiddler...)を翻訳ツールで見てみたら、やはり奇妙なことになってました。中でも「生存者」と訳されている単語があり、なんじゃろかと思ったら「生き字引」のことでした。ツールが「生残り」と解釈したようです。

昔々『 walking dictionaryとは生き字引のことだ』と英語の教師が言ったことがありました。生き字引という音も面白かったし、それになぜ英語では「生きている」でなく「歩いている」なんだろうか?という思いがいつまでも残り、その言葉が私の頭に印象付けられたのです。あとで、多分、英語が元の言葉で、それを明治の人が意訳し造語した結果ではないかと思うようになりました。

辞書のことを字引という人も少なくなっていると思います。でも「じびき」という音は古臭い中に和語の分り易さがあって嫌いじゃありません。

1971年の映画 Fiddler on the Roof に思うこと

Fiddler on the Roof (1971) 屋根の上のバイオリン弾き

f:id:nykanjin:20190827120509j:plain

私が日本を離れる年に日本でも上映されたこの作品、私は日本を飛び立つ前にたまたま観る機会がありました。

とある女性がこの映画の招待券を持っていて、一人で観るのは寂しいというので私もノコノコついていったのです。勿論、招待券は彼女しか持っておらず、私は自分でチケットを購入して観ました。どんな内容の作品かまったく知らずに観ました。

歴史や文化に無知であった私は、作品の背景となっているロシア系ユダヤ人の置かれた状況もロシアのポグロムについても全く知らず、何も分らないまま観ていました。分らなくても、どの民族にも当てはまる話が盛り込まれているので楽しむことはできますが、やはりある程度背景の知識を持ってみなければ見いだせないものがある作品でもあります。

f:id:nykanjin:20190827120754j:plain

f:id:nykanjin:20190827120821j:plain

この作品の節々が分ってきたのは日本を離れ、それから20年余り経って相棒と付き合いだしてからでした。相棒は欧州の歴史の生き字引で、会話の端々に知識があふれ出て、いくらおバカな私でも少しは分り始めてきたわけです。

そして作品を観てから48年経った現在、染めなきゃ白髪だらけのババァになった私が先週末にその作品の制作過程のドキュメンタリーをみて、今もシーンや歌を思い出すことができる印象の深い作品であったと再確認した次第です。

Fiddler: A Miracle of Miracles 観ました

Fiddler: A Miracle of Miracles

f:id:nykanjin:20190827033431j:plain

ミュージカル Fiddler on the Roof が出来上がるまでの背景を描くドキュメンタリー。

19世紀後半Sholem Aleichemがシリ ーズ形式で書いた本の中で『牛乳売りTevyeとその娘たち』という話があります。20世紀後半になってブロードウェイ脚本家の Joseph Stein がそのTevyeの話を脚本にまとめ、Jerry Bockが作曲、Sheldon Harnickが作詞、Jerome Robbinsが振付と演出を手掛けてミュージカル化したのが Fiddler on the Roof。

f:id:nykanjin:20190827033904j:plain

f:id:nykanjin:20190827034947j:plain

作品のタイトルはシャガールの絵 (1912:The Fiddler) からとったということです。

絵の中のFiddlerは前面に浮かんでいるのですが、屋根の上にいると解釈できなくもないです。

シャガールがロシア系ユダヤ人で実際にポグロムを逃れたことを思うと、タイトルの選択に合点がいきます。

しかし、せっかく興味ある趣旨のドキュメンタリーなのに、編集で政治的な意見を無理矢理入れているのが残念でした。