ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

最も嬉しい誉め言葉

As Good As It Gets、日本語の題名は「恋愛小説家」という映画の中で、小説家メルビンと彼が思いを寄せる女性キャロルが、ジャケット要のレストランに入るシーンがあります。彼がわざわざジャケットとネクタイを購入して着た後で「男性はジャケットとタイが必要なのに女性は家で着るような普段着でもいいんだ」とキャロルのドレスを馬鹿にしたので、キャロルが怒って「私を褒めなきゃ、帰るわよ。最高の褒め言葉を言ってごらんなさい」と詰め寄ると、メルビンは「薬を飲んだ...」と言います。キャロルはキョトンとして「なにそれ?」と訊くとメルビンは「まぁ、聞いてくれ」と言って説明します。

彼は病的潔癖症で医者にかかっている。医者から処方箋を貰っているが、その薬は副作用が強くて彼は服用するのが嫌で嫌で堪らず、飲まずにいる。飲まないと潔癖症が激しく出て人に迷惑をかけ彼は人に嫌われている。それでも構わないと思っていた。しかしキャロルに会ってから、人に好かれる人間、良い人になりたいと思った。だから薬を飲んだ。キャロルは彼を良い人間になりたいと思わせる。

っと、それを聴いたキャロルは胸を打たれ「最高の褒め言葉だわ」と気をよくします。

私も相棒から最高の褒め言葉を貰いました。初めて逢ってから30余年、結婚して15年経ちます。「結婚して良かった」「仕事から家に戻るのが楽しみ」「君の顔をみると気分が晴れる」とかいろいろ言ってくれて私も気分がよくなりますが、ある時、相棒と話をしていて、こう言われた時、それは私にとって最高の褒め言葉だと思いました。

「君は知れば知るほど興味深いね」

ゴ恐怖症

アパートの各部屋は水道管やら空気孔などビルの壁の隙間が各部屋に繋がっていますので、どこかの部屋で何事かあるとその上下両隣の部屋にも影響してきます。

風呂場の排水口が淀んだ感じになることがあるのは上下のアパートの人が問題なんじゃないかと思うのです。私は毛髪とかきれいに取りますから絶対自分じゃないと信じてます(笑)。淀んだ感じになる度に漂白剤やら重曹で共同の排水管をきれいにしてスゥッと流れるようにします。だから上下のアパートの人は知らずに助かっていると思います。

それより一番困るのはゴの出現です。私は病的なゴ恐怖症で動けなくなります。字を見ただけでも気分が悪くなります。数年見ることがなかったので、このビルは清潔にしているのでゴはいないと安心していました。ところが最近見かけるのです。セントラルエアコンディションの空孔から伝ってくるような気がします。どこかに汚部屋があるのか、地下のゴミ処理場から伝ってくるのか分かりませんが、とても困ります。

慌てて殺虫剤を撒いたり、毒皿を置いたりしていますが、夕べも姿を見て恐怖し、そして殺虫剤も毒皿も効果ないのかとガッカリ。あまり殺虫剤を撒くと私がダメになるのですが、もうやたらとシューシュー撒きました。すると、今朝、台所のゴミ箱の横でノックアウトしてました。私は紙で取ることも出来ないほどの恐怖症なので、どう処理しようか今考慮中です。(後記:夜、帰宅した相棒が処理してくれました。)

ただ、今までは部屋のどこかにシガイがあると思っただけで鳥肌がたったのですが、きょうは以外にも離れて見えなければ平気になっている自分に気が付きました。その内、この恐怖症がなくなってくれればいいと切に願っておりまする。

NY市の交通費

昨日、買物の帰りMTA(地下鉄と市バス)自動販売機でカードに金額を加えたのですが、滅多にバスを使わない私は16ドルぐらい購入しました。レシートは受口に落ちるのですが小さい穴なので指で探って引っ張り出します。そして金額を見たらなんと127ドルとあるのです!

NY市など頭っから信用してない私は、一瞬「機械の誤作動だ!詐偽やろうめ!」とか思いました。が、もう一度受け口を指で探ると私のレシートが出てきました。つまり127ドルは前に買った人が取ることを忘れたレシートでした。

それにしても凄い金額の交通費だと思いました。MTAカードは「金額」と「期間」の2種類があり、そのレシートは30日間期間(乗り放題)を購入したものでした。日に何度も地下鉄やバスを使う人には「期間」の方が安上がりです。「金額」の場合、1回乗るごとの支払いとなるので、日に4回乗ればもう17ドルぐらいになり、30日となると510ドル(5万円以上)になります。NY市の1カ月の車庫代と同じ。

最近は携帯をスキャンする直払いシステムが導入されていますので自動販売機が消える日も近いでしょう。しかし、スキャンの誤作動は益々多くなるでしょうね。ちょっと翳(かざ)せばいいのですから2度スキャンしてしまったりとか。

両足の攣れ

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数日前、恐ろしい目に遭いました。疲れてソファに横になっていたら、徐々に両足が攣(つ)れてきました。よく攣るのは右足の脹脛(フクラハギ)で、それはギックリ腰をやってから慢性の痺れがあり、上手く動かせないないので筋肉が衰えているためだと分かっています。

しかしこの日の攣れは普段と違ったのです。両足の甲と脛(すね)が攣りました。症状がだんだん強くなってどうしたらいいのか分からないほど痛くなり困惑しました。両足の膝の下と足の甲を丸太で殴られたような痛さです。歩けないのでマグネシウムのクリームを取りに行けず、痛さにアワアワしてました。

最近の部屋のペンキ塗り替えやら修理やらで週日5日続けて早朝起床で寝不足ぎみでした。それに暑さで水分不足もありました。しかし、それにしてもこんな症状が出るとは私も老いたもんです。攣れにはカリウムが効くらしいので、付け焼刃的にバナナを買ってきて食べました。マグネシウムは皮膚に浸透するそうなので、これからはマグネシウムの塩を風呂に入れようと思います。まったく、「老いる」とは面倒くさいことです。

冗談じゃない現実

キッチンと2つの部屋の窓際とバスルームのタッチアップのペンキ塗り替えが昨日やっと終わりました。日本の業者ならば二日目で終わったと思います。ここは手際の悪い人ばかりの悪評高きNY市、途中で電話したり長いランチをとったり何だかんだで、週末を越して延べ四日かかりました。しかし時間はかかってもここのメインテナンスの人たちはプロではないので丁寧な仕事は望めません。

壁の裾とかアチコチに塗り残しがあり、いちいち言うのは面倒なので私が自分で漆喰を塗ってカバーしました。プロより安いとは言え かなりの額を払っているのにこんな具合です。私が若かったら自分で塗ったのだけど今は肩や腕が痛いし、足腰もヨロヨロで台に乗れないし、人に頼むしかありません。プロに頼まなかったのは古い部屋なので完全完璧な仕事でなくてもよいと判断したため、我慢我慢。

さて、今朝はキッチンの流しの下のパイプの洩れを別のハンディマンに修理してもらっています。このビルのハンディマンは直すとどこか他がオカシクなる特殊技術(笑)を持っています。よくドタバタコメディ映画で修理するつもりで壊してしまう信じられないシーンがありますが、あれが映画でなくてホントにあるのが米国です。

今も何だかガッチャンガラーンと不必要な金属音をたてているのでチョイと心配。私も相棒もパイプの継ぎ目から漏れていると判断しているので継ぎ目の輪を取り替えるだけでいいと思っているのですが、ハンディマンはパイプを取り替えようとしているように見えます。ま、洩れさえ直してくれればいいのですが、他を壊さないで欲しいです。流し台にヒビいれるとか、種類の違うパイプを繋いでバランスを崩すとか...。あぁ、今どのパイプにするかガランガランさせて探していますが、なんであんなに大きな音たてるんだろ。床にたくさん傷つけていると思います😟。

以前、このハンディマンが修理に来た時、バスルームのトイレのネジが長すぎて陶器で出来た釘カバーが出来ず、釘が丸出しになってしまったり、手洗いの蛇口を取り替えたのはいいけれど、中古品で傷だらけで使うたびに私の指の皮が剥けてしまうシロモノだったりします😞。

[後記] ハンディマンの仕事ですが、ま、水漏れは止めてくれたようです。しかし思った通りの出来栄えでした。2か所に繋げたパイプはチグハグな部品で、ステンレス製と燻し金のメタルで色も質も違います。繋ぎの輪も色も質も形も違ってます。無料修理なので文句も言えませんが、あまりにも継ぎ接ぎでオンボロロボットの手のようです。揃った立派なパイプを設置したかったら自分で購入しろということでしょう。

[後後記] 翌日の朝、念のためにパイプの下に敷いておいたペーパータオルが濡れているのに気が付きました。流し台に水を溜めて流してみると継ぎ目から水が漏れてきました。またこのハンディマンにやり直してもらうしかありません。今度はセメダインか液体ゴムかなんかで継ぎ目をシールするんだろうと思いますが、手先が不器用で綺麗に塗れずパイプを汚すだろうと心配でござい😢。

神の贈物

毎日のようにゾロ目を見るようになると、それはエンジェル(または先祖の霊)が「見守っているよ」と伝えているのだとか。そして私は毎日のようにゾロ目を見ます。最近は相棒もゾロ目を見るようになりました。

先日もバスを待つ間、屋根付きバス停のデジタル時計が11:11を示し、その横に77℉と気温が表示されているのを見ました。信じているわけではありませんが、それにしてもゾロ目を見ることが多いのです。

そして「エンジェルか霊に見守られている」」と思ったのは一昨日の夜のことです。

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私たちの風呂場の洗面台のキャビネットは鏡2枚の引き戸になっているのですが、数年前1枚ひび割れてしまって、残りの1枚だけになっていたのです。40年以上の古いキャビネットでメタルの枠も錆ており、さらに鏡の戸が1つだけというのは、大変見栄えが悪いのです。私は長い間もう1枚鏡戸が欲しいと思っていました。鏡を扱っているところで寸法に合わせて作って貰えばいいのかも知れませんが、どこにそんなサービスがあるのかも分からず、錆びたキャビネットにそんなに出費するのも歩に合わないと思っていました。

そして一昨日の夜、相棒と待ち合わせをしていた私は、東アップタウンでバスを降り、1ブロック先のレストランに向かって歩き出したと思ってください。歩道にはゴミの山が積まれていました。その中に白いプラスチック製キャビネットが捨てられているのが目に入りました。そして鏡戸が1枚だけ付いているのです。汚れておらず、形もサイズも私たちのキャビネットに近いと感じました。相棒との約束時間ギリギリでしたので、そのままレストランへ急ぎましたが、鏡戸のことが気になっていました。食事の最中に相棒にそのキャビネットの話をしました。そして帰り道そこに行くとキャビネットがあり、私がバリッと鏡戸だけ外し持っていた布に包んで手提げに入れて持ち帰りました。

サイズは少し合わないかも知れないと思っていたのですが、上の写真で分かるようにまさにピッタリでした。驚くほどピッタリで、コレは神様の贈物としか思えませんでした。ゾロ目で「見守ってるよ」と伝えてくれていたのはこういうことだったのかなぁ、と思ってしまいます。

イスラエルの思い出

私は何か思いつくと覚書のように書き込んでファイルしておきます。そのファイルを眺めていたらイスラエルの旅の思い出を書き込んでいるメモがありました。あの頃中東は平和だったなぁと懐かしく思い出しました。

相棒と初めて海外を旅をしたのは出会いから3年目、1992年のイスラエルでした。

f:id:nykanjin:20210625125813j:plain小さな国なので北から南まで車で縦断しました。私たちが訪れた時のイスラエル周辺はとても平和でした。真っ白な岩の洞窟と青い海の美観地、最北端にあるロシュハニクラを訪れた時、北のレバノン国境とシリア国境も静かで平和でした。あの岩の白さと海の青さの美しさは30年近く経った今でも覚えています。頭の中にある記憶を辿ってその色彩をイラストにしてみました。

砂漠の暑さ(45℃)を身を以って経験、そして地図でしか見られないと思っていた紅海に足をつけ、真夏なのにその水の冷たさを体感して感無量になったものです。真水のように透き通った浅瀬に入れた足がその場に居られないくらいチクチク痛くなり、たくさんの小魚が私の足に齧りついていることに気が付きました。ピラニアのような獰猛さです。紅海を望むエラットという町は東にヨルダン、西にエジプトの国境があり、島国日本で育った私には、まるで隣の工事現場のようにしか見えない地続きの国境をみて不思議な気持になりました。

テルアビブのホテルでは火事に遭ったり、エルサレムの美術館回りでヘトヘトになったり、思い出はたくさんあります。