映画
Outlaw King 14世紀、英国王エドワード一世がスコットランドの混乱に乗じてこの国を支配するようになり、重税や兵士による略奪などで民を迫害し続けるため、ロバート・ブルース(後のスコットランド国王)率いる勇士たちが劣勢にも拘らず果敢に戦い、英国軍を…
The Guilty (原題Den skyldige) デンマーク作品。デンマークの救急連絡番号112のオペレーターが業務規定範囲を越える救急応対をしてしまう。画面はそのオペレーターの会話のみで、観客の心理状態を彼と同じくして進んでいきます。疑問の湧く箇所も多少ありま…
The Happy Prince 19世紀後半に人気のあった戯曲家オスカーワイルドが刑期を終えてから死ぬまでの2~3年ほどの間の話。 ジョージ・バナード・ショーと共にオスカーワイルドの言葉もよく引用されるため私は名前だけは知っていました。 これは相棒からの又聞…
A Crooked Somebody “Better to be an honest nobody than a crooked somebody” という言われがあります。 『邪悪な有名人より正直な無名人になれ』悪いことをして成功者になるよりも、無名のままで正直に生きろという教えです。 主人公は教えに背いて悪いこ…
The Sisters Brothers グラックコメディ。 1851年ゴールドラッシュたけなわの時期、借金を踏み倒して逃げた小男を探すように雇われた殺し屋兄弟が男を追い求めていく経過を描きます。 構成もカメラワークもハリウッドの垢がなく、少し変わっていてとても面白…
Life Itself 4つに分かれたストーリーが興味深く繋がっていきます。時間の流れを、ややもすれば混乱してしまう交差方法で上手く表現しており、運命の繋がりの意外さが観客の興味を募らせ、脚色兼監督のストーリーテラーとしての手腕を感じました。 私が特に…
Lizzie 1892年マサチューセッツ州で実際に起きた殺人事件を脚色した作品。TVドキュメンタリーなどでも何度か取り上げられている事件のため、私を含め、ある程度のことを知っている人は少なくないと思います。 この作品では当時の状況から想定できる殺人の動…
The Bookshop 英国の保守的な小さな町で本屋を開いた女性に降りかかる悪意と挫折を描きます。 田舎の住人は一見優しそうでも閉鎖的で排他的な面があること、そして町の有力者に無防備で対抗した女性は自分の無力さを思い知らされます。 少ないセリフの場面で…
Operation Final アルゼンチンで逃亡生活をしていたアドルフ アイヒマンを秘密裡に捕まえ、イスラエルに連れ帰るまでのモサドの作戦遂行を描きます。大量殺人の主犯を他国で秘密裡に捕まえる計画はリスクが大きく大変興味深いものですが、この作品は、アイヒ…
Arizona ブラックコメディ。人が次々と殺されるのですが、ジョークがついて廻るのでつい笑ってしまう場面が続きます。 「運の悪さが重なって次々と更に悪い結果になる状態」に陥る経験をした人には身につまされる話ではあります。 私は楽しんだのですが、な…
Mile 22 最近よく使われるコンピューターテクニックを駆使したように見せた最初のシーンで期待させられましたが、実際は穴だらけの幼稚なストーリー。何か変だなと思ったら中国の制作会社が金に任せて無理矢理作ったような作品だったようです。観客を馬鹿に…
No Date, No Signature イラン作品。(最初に「要らん」と出てきたので笑った) 医者が車で事故を起こし、その後の展開に医者の良心が絡まってくる作品。 人間は自己保守のため瞬時に正しい行動に出ない事があります。そして後で考えると、どうしてそんな行動…
Death of a Nation この作品は、米在住、保守派、インド生まれの Dinesh D'Souza 氏によるものです。 保守派の何であるかを明らかにして、日増しに酷くなるトランプ叩きの裏にある陰険で陰湿で執拗な動きの正体をあぶりだそうとしています。ちょっと陳腐で不…
Gauguin: Voyage to Tahiti ゴーギャンについて、私は間違った考えを持っていました。「銀行家で裕福であったのに、その生活と家族を捨て、タヒチでのんびり絵をかいて暮らした画家」という印象があったのです。ところが、彼は銀行家ではなく株のブローカー…
下欄の映画 The Captain を見た後、監督が出てきてQ&Aをしました。作品の中には勿論創作部分が多々あると思っていました。ところが、まさか実際にあったとは思えないような場面が、実はしっかり書面に残されていたものだったと言うのです。その場面とは、キ…
The Captain (Der Hauptmann) ドイツ作品。敗戦の色濃い終戦間近のドイツにおいて、士気を失い逃亡する兵士があとを絶たず、その収拾にゲシュタポが奔走していた頃に起きた実話を基にした作品。若い兵士(伍長)が逃亡を試み、追手を撒いた後、たまたまドイツ…
Under the Tree アイスランド作品。隣人同士のいがみ合いが発展して酷い結果になります。 作者はブラックユーモアのつもりでしょうが、よくありそうな状況は笑えたものではありませんでした。 人の浅慮さや思い過ごしが生活を狂わせ、正常だった人まで狂わさ…
週末に観た Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot という長い題名の映画でビックリすることがありました。映画の中で、ある小さな暗いバーのシーンがありました。そして入口とバーカウンターの間の壁に飾られている絵画が大きく映し出されたのです。相棒も…
Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot 実在した風刺漫画家 John Callahan の自伝を基にした作品。勿論、面白くするためにいろいろ脚色されています。 最初少し時空が行ったり来たりしますが、後半でまとまってきます。十代の頃からアルコール依存症で虚ろ…
Three Identical Strangers ドキュメンタリー。三つ子の兄弟が生後間もなくそれぞれ別々の家庭に養子として貰われ育てられていたことが十数年後に偶然明らかになります。初めのうちは会えて大変喜んでいた三つ子ですが、別々に育てられた理由の背景に疑問が…
Nancy Nancyはパーキンソン病を患う母親と惨めな暮らしをしています。その母が急死。ボーっとテレビを見ていたNancyは、ニュースで、誘拐された子供の30年後の想像画像を見かけ、それが自分ではないかと思い始めます。そして子供を誘拐された両親に連絡をと…
最近、Let the sunshine… , The Seagull など、上映の途中で出てきたくなるのを我慢するような作品ばかりに当たり、失望していたところに、昨日も First Reformed という作品をみてがっかりさせられました。もう少し深く掘り下げた作品かと思ったのですが、…
The Seagull (2018) 子供の頃、チェホフの和訳を読んだことがあります。多分「桜の園」か「三姉妹」のどちらかだったと思います。チェホフが戯曲家とは知らず、会話が芝居がかっていて面白くも何ともないと思ったものでした。読後、気分が悪くなったような気…
Bye Bye Germany ベルリンに住むホロコーストの生き残り数人が、米国へ移住するための資金を作ろうとドイツ人相手に商売を始めます。その生き残りのリーダー格が、戦後のナチス制裁の検察にあい、ナチスに加担した容疑をかけられます。 冗談として扱えない事…
Final Portrait ジャコメッティの晩年を一人の米国人ライターの目を通して描いています。 若くハンサムなライターがジャコメッティのモデルを頼まれ、パリでこの著名な彫刻家と過ごした半月を日ごと追って日記のように記しています。 ジェフリーラッシュが気…
The Rider 若者と馬とロデオの織りなすドラマだと思っていたのですが、本人(スー族末裔)とその家族や知り合いが再現しているセミドキュメンタリーでした。 セリフも殆どアドリブというか自然の会話で、特にドラマチックな場面やBGMで盛り上げる小手先的なギ…
Chappaquiddick 1969年、月着陸成功と時を同じくして事件は起こりました。 テッドケネディが起した車の人身事故でケネディだけが助かり同乗していた女性は亡くなりました。チャパクィディックの細長い入り江の水深はそれほど深くなく、車が沈んでも車体の一…
Journey’s End 第一次世界大戦末期、前線一帯に掘られたTrench(塹壕)内の英軍は独軍に押され気味。その塹壕の1つに、士官学校を卒業したばかりの若者が配置されます。その塹壕にいる上司が若者の姉の婚約者。 ま、そういう設定はどうでも、この作品のカメラ…
A Bag of Marbles(Un Sac de Billes) 実話、というより本人が書いた自伝を基にした作品。 第二次大戦下、フランス北部にドイツ軍が侵入、その土地のフランス軍がナチスに協力してユダヤ人強制収容に乗り出したためパリ郊外で生活していたユダヤ人家族が離…
この二作とも多分日本では公開されないと思います。面白くないです。 7 Days in Entebbe 1976年に起こったハイジャック事件に基づいた作品。シリアスな話であるのに、時々モダンダンスのシーンが挿入されるのですが、奇を衒っただけの無意味なものにしか感じ…